本日は制作部についてのお話です。
映画やドラマの制作に欠かせないのが制作部の存在です。
会社で言うところの営業職のようなもので、他のスタッフが内側を向いて作業しているとしたら、制作部は外側にある社会と制作を結びつけるような役割を持っています。
だから、とっても大事な部署です。
それでは、本文をどうぞ!!
映画・ドラマの制作部という部署
映画やドラマ(以下映像と呼ぶ)を作るのにとても大切なのが、制作部という部署です。制作部が何をするかというと、
主な仕事は、撮影現場の予算の管理、ロケ地の選定、公共の許可撮り、様々な大切な雑務といったところです。
ほかの業種で例えるなら、作品を外部の方とつなげる営業職みたいな仕事という認識を持っていただければわかりやすいかと思います。
映像作品には沢山のスタッフが集まります。
どんなスタッフがいるかというと、↓
こんな感じで、一つの作品に50人近く参加しており、グループでの作業を日夜、あーでもない、こーでもないと言いながら超ブラックにやってます笑
「どんな風にブラックなの?」というのも気になると思うので、
ここで1番下っ端の制作進行の1日をお伝えしておきます。
制作進行の仕事内容は、その名の通り撮影現場の進行が何不自由なく進むように環境を整えたり、準備をしたりするのが仕事です。
撮影を進めるスタッフはいても、それを外とつなげる役目(社会や世間)をするのは制作部以外いません。
その中でも進行の仕事は。。。
制作進行の1日は25時間
撮影が始まり制作進行の1日がどんな感じなのかを物語風に時間軸を追っていきましょう。
「制作進行の1日」
静かな部屋の中で、つけっぱなしのテレビがカラーバーを表示している。
携帯のアラームが大音量で鳴り響く、びっくりした様子で飛び起きた瞬間から、制作進行の1日が始まります。お湯を沸かすこととコーヒーを作ることが日課。
AM3:00
ボタンをポチッと押してウツラウツラしながら、コーヒーメーカーやヤカンの奏でるmusicと共に朝が始まります。家を出て作ったお茶類を運ぶのに駐車場まで3往復。スタッフ50人分のお茶は大量です。車に荷物を積み撮影現場に向かいます。
AM5:00
撮影現場に到着すると俳優さんのスタンバイをする場所を作ります。す抜けの場所なら周りから見えないような工夫をしたり、ティッシュや机イスなどの備品を運んできたり、お菓子やお茶、朝ご飯を用意したり。。起きてすぐの猛ダッシュみたいなもんです。
AM6:00
メイクさんや衣装さんなどスタンバイチームが撮影現場に到着し、部屋に誘導したり、撮影現場の案内をします。
それと同時進行で撮影現場の準備です。スタッフが撮影しやすい状況を作ります。機材を積んでいる車を誘導したり、明るい時に夜のシーンを撮影する場合は遮蔽(日を遮る)したり、スタッフが飲むお茶を用意、撮影現場で使う毛布やウエス一通りの備品を運んで準備します。朝起きてから3時間しか経っていないとは思えません。
大体この辺りから今日の撮影早く終わらないかなぁ、、と思ったり(笑)
AM7:00
撮影隊が到着し撮影が始まります。俳優さんが現場に来たら、一般の方を速やかに誘導、工事現場の音を止めに行ったり(高性能マイクなので台詞が。。)通行してる人が映らないように人止め、車止めをします。現場で必要な備品があるとトランシーバーで備品が欲しいと呼ばれます。
誰にも見られない場所に隠れてもトランシーバーのおかげで1秒たりとも気を抜けません。このトランシーバーを聞きのがしたり返事をしないとめちゃくちゃ怒られます(笑)
撮影が残り数カットになると移動の準備をして、自分で運転をして次の撮影現場に向かいます。車での移動中にスタッフの昼食、夕食を発注しているお弁当屋さんと連絡をとりつつ、明日以降の発注をしたり、これから撮影する場所の確認をしたり、ちょっとした撮影の休憩時間があれば地図を書いたり。これを夜までくり返していきます。
PM10:00〜11:00位
撮影が終わり(終わらない時もあります)撮影現場を片付け、1日のゴミを撮影スタジオ(家との距離が往復1時間位)に捨てに向かい、明日みんなに渡すスケジュールや地図など資料をコピーして、家に戻りがてら車にガソリンを入れて終了です。
AM1:00位
帰宅です。次の日のお茶の準備をしながら力尽きて寝たり、自宅の駐車場まではなんとかたどり着くのですが、そこで朝を迎えたりします。日によっては1日24時間で足りない時もあるんです、マジで(笑)
2時間ドラマだと3週間程度、連続ドラマだと3ヶ月半、映画だと平均2ヶ月くらい、制作進行はこれを繰り返しています。
こんな感じです。
言葉で聞くと「無理」と思うかもしれませんが、やってみると意外に楽しい笑
やった人にしか分からないですが、やってみればかなり人間力もアップすること間違いありません。
制作部の仕事は社会的本質
制作部で学ぶ内容は、社会的な本質の部分にあたります。
それを理解することで、仮に制作部を辞めて他の仕事についたとしても大体の仕事は簡単にこなすことができます。
例えば、どんなことができるようになるか?
- コミュニケーション
- 交渉
- 物事の捉え方
- ストーリーの描き方
- お金の使い方
などなど数え上げたらキリがありません。
ですが、何も考えずにやろうと思っていると全く身につく事はありません。
仕事を通して学ぶことが何であるかをまずは考えることで、その全てが制作部の仕事の中に詰まっていると言っても過言ではありません。
映画が作りたいけど、やり方がわからないなぁ。と言う人は制作部を始めてみるのもいいかもしれません。
少しずつ日常も回復してきたので、やれることをどんどん形にしていきましょう!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!!
“制作部の仕事から本質を学ぼう【映画・ドラマ】” への1件のフィードバック